ゲイオーエルインフィニティー

都内で会社員(OL)として働く30代ゲイの日常をつづります。

初デートは這ってでも

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「タナカさん、顔色悪いけど大丈夫ですか?」

「体調悪そうですね…」


なんて会社で言われて。


そーなのよ。風邪が悪化してしまって。

 

無理しないでって言われても。

そーもいかないのよ。

今日はデートなのだから。


あー失敗したなー。

今日くらいには体調が良くなるように期待してたのに。


なんか予定の変更ってお願いしづらくて。

バカだよねぇ。

 

以前飲み会で知り合った人とごはんを食べに、今日は普段いかないような都心部へ。

早く着いちゃって、時間をつぶすためにブラブラ。

しんどいからとにかく座りたい…。


ビジネス街のそばって、スーツじゃない人でもカッチリ、みんな洗練されてて、ちょっと自分が恥ずかしくなる。


初デートって普通はウキウキするものなのかもしれないけど、私は全然。

恋愛負け組の人間にとっては、今までの経験から来る悲しい予感と、これが最後であって欲しい、うまく行って欲しいっていう祈りみたいなものが混ざった、あんまり気持ち良くないものなんです。


茶店で時間をつぶしてたら、待ち合わせまで後30分─。

狭いトイレの鏡で自分の顔を覗いてみる。


髪は─まぁいつも通り。

ほっぺたにできた吹き出物、完全には治らなかったなー。嫌だなぁ。あんまり左顔見せたくないな。


鼻をしっかりかみ、ロキソニンを飲む。

香水をちょっとだけ付けた。


そろそろ待ち合わせ場所の近くに行こうかな、と思った頃、向こうからラインが来た。


「少し早く着いたから、近くの●●ビルに入ってます」


急ごう。自分もちゃんと早く来てるってアピールしたい。

 

うまくいくかは別として、今日を楽しめますように─